キャンプや車中泊、防災用途で人気急上昇中のポータブル電源。
すでに持っている方も多いだろう!?

もしもまだ持っていないならば、、、ポータブル電源は間違いなく日常生活を便利で豊かにしてくれる一品なので持っておくことを強くおすすめする!
ところで、皆さんはこのポータブル電源をどうやって充電しているだろうか?
多くの方は家庭用コンセントのAC電源から充電しているのでは?
中には常にコンセントにつなぎっぱなしの方もいるかも(特別な理由がない限り筆者はおすすめしないが)?
だがそれではポータブル電源の大きなメリットである「電気代の節約」や「環境に優しいエコな生活」の恩恵を受けることはできない!電気代の節約やエコな生活の恩恵を最大限に受けるならば、ソーラーパネルも合わせ持ち、ソーラーパネルから充電する必要があるのだ!

私なんかAC電源からの充電は、ポータブル電源購入時の動作確認の時に使っただけでそれ以来一度たりとも使っていない!常にソーラーパネルからの充電だけで100%運用している!

もしもソーラーパネルをお持ちでない方はこの機会に揃えておこう!DIYでシステムを構築するやり方や、最新のおすすめパネルはこちらの記事が参考なるだろう!
ただしこの場合、
同時に電化製品を使うとなると「パススルー充電」という機能が重要になってくる。また、このパススルー充電を使う時にはいくつか注意すべきポイントがある!
そこで本記事では
を初心者でも理解できるようにわかりやすく解説してみた!
筆者と同じくソーラパネルからの充電をメインで考えている方は是非参考にしていただきたい!
【パススルー充電】とは?

ところでパススルー充電って何?

パススルー充電とは、「ポータブル電源本体を充電しながら、同時にポータブル電源を介して電化製品も充電できる機能」のことを言う。
ひと昔前の旧式および安価なモデルの場合、ソーラーパネルやAC電源で充電中のポータブル電源に電化製品をつないでも使うことができなかった(もしくは使えても機能的に問題があり非推奨とされていた)
これに対し、
最新のパススルー充電対応のポータブル電源であれば、ソーラーパネルやAC電源で充電ながら同時に電化製品をある程度安心して使うことができるのでとても便利だ!

「ある程度安心して・・・」が少し引っかかるな?
【パススルー充電】の基本機能・仕組み

ソーラーパネルから充電する前提で、パススルー充電の基本機能・仕組みを簡単に解説しておこう。
まず、パススルー充電時にポータブル電源の中では以下の処理が同時に行われている。
- 入力系(ソーラーパネルからの充電:チャージコントローラ/MPPT制御)
- 変換系(電圧・電流を整理・安定化:DC/DCコンバータ)
- 出力系(電化製品へ充電(給電):DC/ACインバータ)
ここで、
- 入力電力 > 出力(消費)電力の場合:余った電力はポータブル電源に充電される
- 入力電力 < 出力(消費)電力の場合:足らない電力はポータブル電源から持ち出される
ということになる。
「なんちゃってパススルー」と「本物のパススルー」の違い
冒頭で少々ふれたように、旧モデルや安価なモデルでもなんちゃって(疑似的に)パススルー充電が出来ているモデルはある。

「なんちゃってパススルー」と「本物のパススルー」の違いを私が描いたわかりやすい?図を用いて解説しよう!
なんちゃってパススルー充電(旧式・安価なモデル)の場合

上の図に示した通り、なんちゃってパススルー充電(モバイルバッテリーは今でもほぼコレ!)の場合、常にポータブル電源のバッテリー(リチウムイオン電池)を経由して電化製品を稼働させるフローになっている。
この場合、以下の点でバッテリーに過大なストレスがかかることになる。
- 常にバッテリーが充電しながら放電するモードになっている
- ①のモードになると無駄な変換ロス・発熱が多くなる
- ポータブル電源が満充電に到達した場合、満充電付近に長時間張り付くことになる
①②③ともバッテリーにとってはとても過酷な環境なのだ!

簡単に表現すると、
- ①は忙しすぎてヘロヘロ、熱にもうなされた状態・・・
- ②は部屋が暑すぎて熱中症の状態・・・
- ③は満腹なのにまだ食べろと言われて、吐きそうな状態・・・
★超マニアックな方向け
上の説明ではイマイチ満足できない超マニアックな方のためにもう少し詳しく解説しておこう!
①は電池の化学反応で、②はDC/DCコンバータ、DC/ACインバータがフル作動して常に発熱状態となる。尚、本記事ではソーラーパネルからの充電が前提なので、DC/DCコンバータ(ソーラーパネルも電池も直流(DC)だ)での発熱は軽微だと思われるが、AC電源からの充電だとココがAC/DCコンバータとなり、さらに影響は大きいだろう。発熱はバッテリー内の電解液(質)分解が促進されるので、劣化の大きな要因となる!
③の状態がキープされるとバッテリー内部の電解液(質)が正極(+)側で酸化分解されやすくなる。これはLiイオンの失活による容量損失・内部抵抗の増加につながる。尚、一度失活したLiイオンは二度ともとに戻らない(Li化合物として析出するため)。また、高温が加わると正極・負極を分離している膜(セパレーター)の酸化分解・強度低下による自然放電(自己放電)が大きくなる懸念もある!
ちなみに筆者はサラリーマン時代の研究・開発職でこの辺の実験・評価を自分で行っていたことがある!

安価だからといって、なんちゃってパススルー充電のモデルを購入するのはやめておこう!

ポータブル電源を充電しながら使うの怖くなってきたな・・・
本物パススルー充電(入力電力 > 消費電力)の場合


安心してほしい!(条件付きだが・・・)。2022~2023年頃以降に商品化された1000Wh≦のモデルでは、ほぼ本物のパススルー充電に対応している。特に大手4大メーカー(EcoFlow・Jackery・BLUETTI・Anker)は確実に対応している!
本物パススルー充電の場合、
「入力電力をポータブル電源の内部で負荷用とバッテリー充電用に再分配する」という操作をしているので、常にバッテリーを経由することがない仕組みに改善されているのだ!
上の図は入力電力 > 消費電力の場合であるが、この場合、電化製品への充電を優先的に電力配分したのちに、余った電力をポータブル電源に充電している。
この時、バッテリーからの放電は一切ない!また、ポータブル電源が満充電(もしくは設定上限容量)に到達した時点で充電も停止する!
本物パススルー充電(入力電力 < 消費電力)の場合

次に入力電力 < 消費電力の場合を見てみよう。
この場合、電化製品への充電を優先的に電力配分しても電力が不足しているので、バッテリーから不足分の電力を補充(放電)している。
もちろんこの時バッテリーへの充電は一切ない!

なるほど。バッテリーは充電か放電のみの一方通行なんだね。これなら安心だ!

確かにだいぶ安心にはなったが、まだ注意すべきポイントがある。次で詳しく解説しよう!
そもそもポータブル電源に優しい使い方は?
ここまでで、ソーラーパネルを使ったパススルー充電のアレコレを解説してきたが、そもそもポータブル電源に優しい使い方ってどんな使い方だろう?

私が実際に実践して思うところを解説しよう※①。
※①あくまでも筆者が思うところである。実際に運用するしないは各位で判断いただきたい!
- ソーラーパネルで発電中はできるだけ電化製品を使用しない!
- ソーラーパネルで発電中に電化製品を使用するときは、発電>消費電力となるように消費電力の小さな電化製品を使うことを心掛ける
- 寒い冬は部屋の温度をある程度温めてから(電池が室温付近になってから)充電を開始する
- 暑い夏はできるだけ風通しの良い涼しい場所で使う(内部ファンが稼働する状態にしないのが一番)
- 急速充電はできるだけ使わないようにする(もちろん筆者は一度も使っていない)
- 長時間100%充電・0%充電(フル放電)の状態にしない(先に挙げた大手4大メーカーであれば簡単にアプリで設定できる!)
ここまでパススルー充電について熱く語りっておきながらなんだが、、、①のようにパススルー充電対応モデルであっても、できるだけパススルー充電を使わないのが一番だ!
仮に使う場合でも②のように入力電力>消費電力を意識して電化製品を使うことをおすすめする!

なので、私はパススルー充電を使う場合は、本記事を執筆しているノートPCや液晶モニターの他、スマホ、テレビ等の低消費電力家電くらいしか使わないようにしている。本格的な電化製品を使うのは夕方以降だ!

最初の方の「ある程度安心して・・・」の正体はこのことだったのか・・・

残りの③④⑤⑥も含めて、ここに挙げた6項目は長い目で見るとボディーブローのようにライフに効いてくる超絶重要な要素だ!ちなみに、メーカーが提示しているサイクル数はあくまでも参考情報だ。もちろん3000回より4000回の方が良いのはその通りだが、3000回≦であれば性能ベースとしては十分なレベルだと思う。それよりも、あなた自身の使用環境要因の方がはるかに影響が大きいことを意識すべき!※②
※②別記事にも解説したことがあるが、各メーカーが提示しているサイクル数(3000回とか4000回とか)は理想的な環境(室温25℃前後・湿度50%前後・標準充電・標準放電・無風の恒温槽内で評価)で実施されたサイクル数である!筆者も新製品開発時には様々な条件で評価していたが、条件によってサイクル数は大きく変わっていた!
ソーラーパネル充電特有の挙動?
AC電源からの充電と違い、ソーラーパネルからの充電は以下のような特有の挙動がある。
- 晴れたり曇ったり目まぐるしく天気が変わることによる出力不安定
- パネル面の汚れ・ゴミ付着による部分的な出力低下
- パネル面の温度変化による出力不安定
- パネル面の向き・角度の違い(=太陽の位置)による出力変化
- ・・・等々

天気はいかんともしがたいが、それ以外はできるだけ最大効率で発電されるように各位でメンテナンスや工夫をしてほしい!
サイクル数が進む懸念へのコメント&ソーラパネルのメリット
ポータブル電源の使い方・ライフ関連のネット記事を見ると、毎日使うとサイクル数が進むことを過度に懸念している傾向がある(ような気がする)。
確かに充電→放電→充電を繰り返すとサイクル回数毎に少しずつ容量が少なくなる(不可逆反応によるもの)のはその通りであるが、幸い、本記事で前提にしているソーラーパネルからの充電の場合、以下のメリットがある!
- マイルドな速度で充電される
- 毎回満充電になることは少ない(浅い充電深度で使われることが多い)
①マイルドな速度で充電される
何かとタイパタイパとせわしい世の中なので、ポータブル電源の充電も一分一秒でも早く終えたい気持ちはわからないでもないが、少しでも良好な状態で長くポータブル電源を使いたいなら、できるだけ急速充電はやめておいた方が良い。

とにかくリチウムイオン電池は急速充電が苦手なのだ!もちろん、年々確実に改善されてきてはいるが、基本的な傾向は今も昔も変わらない。
(大量のパネルを並列接続しない限り)ソーラーパネルからの充電は、急速充電に比べるとはるかにマイルドな速度で充電されることが多いので、バッテリーに優しい充電方法と言えるのだ!
②充電深度が浅い
各メーカーが提示しているサイクル数は、
満充電→フル放電→満充電→・・・
を規則正しく繰り返した場合を前提として提示されている。
当然充電深度が浅い場合、このサイクル数はメーカー提示回数よりも大幅に伸びる!※③
※③放電深度もしかりだが、一般に充電深度の方がサイクル劣化への影響は圧倒的に大きい!
幸か不幸かソーラーパネルからの充電の場合、何日も連続して満充電になり続けることはまずない(きちんと夜家電を使って電力を消費している場合)。一日の中でも晴れたり曇ったり、また数日後には曇りや雨の日があるからだ。つまり充電深度が浅いサイクルになることが多いのだ!
同じ理由で、満充電に張り付いている時間も短くなる。保存劣化という点でも有利なのだ!

そもそも、過度にサイクル数が進むことを気にして押入れの奥に10年以上大事にしまっておくよりも、毎日ガンガン使って電気の自給生活・エコライフを満喫したり、アウトドア活動を楽しんだほうがはるかに健康的だし、充実すると思う。また、7,8年も経てばもっと便利で高性能な製品が出ているので買い替えたくなるはず!?皆さんはいかがだろうか?

そう言われてみれば確かにそうだな!
まとめ
これからポータブル電源を購入するのであれば、パススルー充電対応のポータブル電源を選択するのは基本中の基本だ。
ソーラーパネルを使った充電は、エコで財布に優しいだけでなく、バッテリーにも優しい充電方法だと思う。
ただし、パススルー充電でむやみやたらどんな電化製品にも使うのはかしこい使い方とは言えない!
今一度使い方の注意点を整理しておこう!
この2点と「そもそもポータブル電源に優しい使い方」の項で解説した注意点をしっかり守って、末永く楽しいポタ電生活を送っていただきたい!

