はじめに
太陽光発電をDIYでチャレンジしている方は、パネルの向きと角度の設定に少なからず悩んだことがあるのではないだろうか?
それは当然のことであろう。
だって、特に「角度」については季節や住んでいる場所(緯度)、一日の中でも最適解は異なるのだから。
ただし、年間平均すると「これが最適解」というのはある。
発電効率の最大化をめざすためには、パネルの向きと角度を正しく設定する必要がある。
本記事ではだれもが一度は悩む太陽光パネルの「向き」と「角度」の最適解についてわかり易く解説しよう!
本記事で得られる情報:
DIY目的で各メーカーの100Wソーラーパネル最新モデルが気になる方は、こちらの記事が参考になるだろう。
基本のキ
まず基本のキとして、、、太陽光パネルに対して太陽光が「高さ」、「向き」ともに直角に入ってくる時に最大の発電量を得ることができる。

間違った向き・角度で設定してしまうと、せっかくの電気自給生活に大きな影響を与えてしまいかねないので注意しよう!
日本で最適なパネルの【向き】は?
日本で最適なパネルの向きは「真南」である!

これ、なんとなくわかるけど、よくよく考えてみればなんでなんだっけ?

この辺は中学生の時に理科の時間で習ったと思うが、とっくに忘れている方も多いだろう?私がわかり易く解説しておこう!
なぜ真南が最適なのか?

上図のように、日本は北半球に位置している。
ここで、公転面とは地球が太陽の周りを1年で一周する軌道の面のことをさす。

下図のように公転面上に太陽があるとイメージすればよい!

また、地球は地軸を23.4°傾けた状態で自転(北極から見て反時計回り)しながら太陽の周りを1年かけて公転している。
上図を見ながらイメージすると、太陽が東(太平洋の方角)から昇って真南で最高高度(南中高度)に到達し、西(東南アジアの方)に沈んでいく様子が浮かんでくるだろう?

天才バカボンの歌(西から昇ったおひさまが東へ沈〜む・・・)は今すぐにでも忘れよう!信じている人はいないと思うが念のため!
地軸が傾いたまま公転しているため、太陽の高さは季節によって異なるものの、、、常に真南で最高高度に到達することに変わりない(下図参照)!


つまり、パネルを真南に向けておくと一日の中でパネルに効率よくあたる太陽光の角度(時間)も長くなるのだ!

なるほど!よくわかったぞ!
実際の計算例
太陽光発電協会で、南面を100%とした場合の発電量比率を計算しているので紹介しよう(東京・角度30°の場合)。

このように、パネルの向きによって発電量は大きく異なる。
特定の角度で建物や樹木などの障害物によって陰になる等、特別な事情がない限り、太陽光パネルの向きは真南に向けて設置しよう!

ところでちょっと疑問に思ったんだけど。もし日本が南半球にあったらどうなるの?

おもしろい質問だ!補足として解説しておこう。
日本が南半球にあったらどうなるのか?
例えばオーストラリアなどの南半球だったらどの向きにパネルを設置するのが正しいのか?
何となく気になる方もいるだろう?
これも先の地球の図(Power Lab補足説明付き)を見れば理解できるはずだ!
まず太陽が東から昇って西に沈むのは同じ(繰り返すがバカボンの歌は忘れること!)。
だが、南半球の場合は太陽の位置は常に北側にあるので、真北で最高高度(北中高度って用語があるのかどうかは?)に到達することになる!

つまり、オーストラリア等南半球では太陽光パネルは真北に向けるのが良いってことになる!

そうなんだ。わかったけど、なんか不思議な感じ!
日本で最適なパネルの【角度】は?
最適な向きが分かったところで、今度は最適な角度を考えてみよう。
最適な角度は日本の中でも場所によって異なる
日本は南北に細長い国なので、実は最適な角度は場所(緯度)によって異なる。
また、先に説明したように、地軸を傾けたまま自転や公転をしているため、一日の中や季節によっても異なるので少々ややこしいのだ!

太陽の向きに合わせてパネルが移動できたらいいのにね。

そうだな。産業用の大型施設では自動追尾しているところもあるが、小規模のDIYレベルでは導入コストもさることながら電気を自給しているのか消費しているのか・・・になってしまうので、現実的ではない。
「年間平均で最適」となる角度に設定する
結局のところ、角度の最適解はその地域の年間を通した平均でもっとも太陽が効率的に当たる角度ということになる。
以下に各都道府県での最適角度を導き出してくれる参考サイトを紹介しておこう。

このサイトでは、マウスポイントで各都道府県を指すと最適角度が数値で表示されるので、お住まいの都道府県を確認してみるといいだろう。
尚、もっと詳しく調べたいマニアックな方は、NEDOの日射量データベースサイトで直接確認すると良い。

上のエコライフ.comのMapも、元データはNEDOの日射量データベースを使っているようだ。
参考までに、代表的な都道府県の最適角度を紹介しておこう。
- 北海道:34.8°
- 東京 :32.8°
- 大阪 :29.2°
- 福岡 :26.1°
- 鹿児島:27.7°
- 沖縄 :18.1°
このように北海道と沖縄ではなんと15°以上の差がある。

必ずお住まいの都道府県の最適角度を確認して設定することをおすすめする!
手動でパネルを移動できるならコレが【最適解】かも?
ココまでは、パネルを一年中固定して運用する前提で紹介してきたが、DIYの場合は、屋根上に設置するようなガッチリ固定ではなく、バルコニーや庭に平置きでの運用を想定している方も多いだろう。
このような平置きであれば、手動でパネルを移動するのが手っ取り早い!

もちろん、私もこのような方法で運用している(下記写真参照)。



筆者が設置している架台は、360°車輪付きで前後左右に自由自在に移動できるように自作している。
また、角度も斜めに取り付けた2本の単管の角度を変えるだけで調整できる。

このシステムは、1年365日、常に発電効率の最大化に近い状況を実現できているのだ!チョットかっこよく名付けると「手動太陽追尾システム」となる。これこそが、本記事で紹介したどの「向き」、「角度」よりもはるかに発電効率が高い最適解と言っていいだろう(私独断の結論)!
筆者作の優れもの架台?の作り方に興味がある方はこちらの記事も合わせてどうぞ!写真タップリで解説しているので、塗装+乾燥も含めて丸2日もあれば誰でもつくることができる。
まとめ
筆者は愛車ハイエースの屋根にもソーラーパネルを装着して車中泊登山遠征を楽しんでいるが、車の屋根はフラットなので、やはり実感として発電効率は低いと感じる。
車の屋根にもソーラーパネルを装着してみたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ。筆者のハイエースの例で紹介しているが、車種が変わっても基本は同じだ。
DIYで太陽光パネルの設置を計画されている方は、本記事を参考にしていただき、発電効率の最大化を目指していただきたい!
電気の半自給生活を実現するためにはポータブル電源も必要だ。2025年の最新情報をベースに、各メーカーから商品化されている最新の1000Wh・2000Whクラスのおすすめポータブル電源を下記で紹介している。注意すべきポイントも筆者独自目線でわかり易く解説しているので、興味のある方はあわせてどうぞ!

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